名工 鈴木常三郎保教
  〜6対目の狛犬と作品リスト


北野神社(文京区春日)の名品狛犬
  《ツノ・宝珠、足上げ、両子獅子、そして以後の尾の流れた狛犬の先駆けとなった狛犬と言われている》
の作者、江戸小石川の鈴木常三郎保教。

その作を追っていますが、六つ目の常三郎の狛犬を確認して来ました。
銚子港神社にほど近い銚子市川口町の川口神社です。


この神社には4対の狛犬がいてとても楽しめますが、拝殿前/手前の狛犬、とても素晴らしい!
と思ったら…見つけにくいところにその名がありました。
 
「江戸小石川 石工 常三郎」と。
阿吽で彫り分けた尾とタテガミの素晴らしさ、全体のフォルムの堂々と落ち着いたたたずまい。
頭には穴があり〜北野神社と同様にツノと宝珠があったことが伺えます。
奉納は「文政三庚辰夏三月吉日」
台座前面に大きく「寶前 日本橋 魚問屋」と彫られ、世話人等奉納者(江戸の商人)が約43名、全てその屋号と共に刻まれています。
この当時の鮮魚・醤油・干鰯などを通した江戸と銚子との繋がりが良く分かります。

鈴木常三郎保教の狛犬をリストにまとめてみました。
更に増えるとうれしい…これまで狛犬しか見て来ませんでしたが、他の石造物もあるはず。
ご存知の方があればお知らせ下さい。
                               (2025.12 狛研例会にてプレゼン 阿由葉)

寺社名 所在地 建立年銘 西暦 石工銘 備考
香取神社 東京都江東区亀戸3-42-24 文化二乙丑歳三月吉祥日 1805 礫川 石工常三郎 先代一体のみ ※1.
銚子港神社 千葉県銚子市馬場町1-4 文化四丁卯年四月 1807 江戸小石川御掃除町 石工 常三良
北野神社 東京都文京区春日1-5-2 文化六歳巳五月吉日 1809 石工小石川柳町 鈴木常三郎保教 ツノ・宝珠、両子獅子
一行院 東京都文京区千石1-14-11 文政二年二月(推定) 1819 石工 鈴木保教 一体のみ 香炉狛犬?
川口神社 千葉県銚子市川口町2-6378 文政3庚辰夏3月吉日 1820 江戸小石川 石工 常三郎 ツノ・宝珠の跡あり
熊野神社 神奈川県相模原市緑区根小屋702 文政十丁亥正月 1827 江戸小石川 石工 鈴木常三郎保教

※1. 現在も残っているのか未確認