これはどうだ!のおすすめ狛犬
No.3〜 2005.12 |
栃木県宇都宮市の北西地にある大谷石の産地大谷町方面を廻ってきました。
この辺りの石造物は殆ど大谷石で造られ、鳥居、灯籠、石段、蔵、そしてかつては屋根瓦まで大谷石で造られていました。もちろん狛犬も大谷石です。 この鷺宮神社の狛犬は文政十二年丑十二月吉日(1829年)の建立で、江戸期の銘が確認出来る大谷石狛犬としては貴重なものです。 でもこの狛犬、仕上げの細工をしないまま建立したのかと思えるほど簡素な出来で、見ようによっては現代アートを思わせます。 残念ながら石工の名はありませんが、彼が名人だったのか?はたまた迷人だったのか?分かりませんが、技巧を凝らした狛犬にはない温かさを感じます。 (写真・文 山田敏春) |