明治26年(1893)に造られた靖国神社の大村益次郎像の作者は大熊氏廣、
明治29年(1896)の皇居前広場の楠正成像は高村光雲の作、
明治30年(1897)の上野の西郷像も高村光雲の作で、これらを東京三大銅像と云う。
だが西郷さんの愛犬ツンと楠公がまたがっている馬を担当したのは後藤貞行です。
目黒不動尊仁王門の仁王の原型(1957)とその裏に置かれた石膏の狛犬は貞行の長男である後藤良(なおし)の作です。
祖父の後藤貞行と父の後藤良に指導を受けたのが良の息子の後藤光行です。
光行作の狛犬は昭和34年(1959)の神戸の生田神社拝殿前のブロンズ狛犬がある。
また、昭和45年(1970)に造られた長野市史跡公園にある<川中島の上杉謙信と武田信玄が打ち合う歴史的瞬間>をとえた「龍虎一騎打銅像」は全国的に知られた作品であろう。
東京では東郷神社(渋谷区神宮前)の拝殿前の狛犬が光行の作品です。
銘は
「昭和四十一年十二月(1996)」
「奉納 風虎会 文京区白山一丁目 斉藤喜一郎
台東区池之端四丁目 清水澄 熱海市古谷旅館 内田勇次」
斉藤氏は東郷元帥の側近、清水氏は法学博士で昭和天皇に講義をした学者です。
因みに東郷元帥は東宮御所学問所総裁であった。
内田氏は熱海の古谷旅館の主人で定宿にしていた東郷元帥とは親交があった。
(写真・文 山田敏春)
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