これはどうだ!のおすすめ狛犬
No.110〜 2014.11

狛犬の縁〜千葉神社

               千葉神社(千葉県千葉市中央区院内1-16-1


千葉神社を再訪、目当ては獅子山だ。
前回は石工
篠原鉄三郎利勝の名だけは確認していた。
今回はその他の銘文も確認したいと思って来たのだが思わぬ発見があった。


銘文から獅子山建立を追ってみよう。
栃木県鹿沼町の篠原鉄三郎に建立依頼をしたのは千葉市の
神力講で、神力講は大正14年に栃木県鹿沼市草久の古峯神社に狛犬を篠原鉄三郎に依頼し奉納していて縁があった。
続いて篠原石材店の2名の石工、獅子山を形成する溶岩石の黒ボク石を積み上げる職人、それを手伝う千葉県在住の鳶職と組合の人達の名が並ぶ。
石材については「神奈川県岩村 獅子用材採掘人 
遠藤與之吉」「山梨県大月村 黒ボク石採掘人 藤本石材店」と記されていて、それぞれの石の産地が分かる。
因みに神奈川県岩村に産する石とは小松石である。


獅子山の竣工は昭和4年5月で奉納理由は昭和天皇の「御大典記念」。
縁は続いて昭和7年7月に古峯神社に
小松石の獅子山系狛犬を篠原鉄三郎が寄進
翌8年7月に
兒子神社(神奈川県足柄下郡真鶴町岩653)に篠原鉄三郎が刻んだ狛犬を遠藤姓の4名が奉納
その中に
遠藤與之吉の名がある。
千葉神社の
獅子用石材を採掘した人であり、これは狛犬の縁だ。
なお千葉神社獅子山は「
獅子児鍛錬の像」と命名されている。


                                     (写真・文 山田敏春)