六郷神社拝殿前の岡崎狛犬、ネット上の説明では
「現在鎮座している狛犬は大正8年のもの、台座を昭和12年に改修して高くしているようだ…中略…
だが獅子のイメージが強く先代のような個性はない。」という。
ちなみに昭和12年は六郷神社の「曳船祭」が最後に行われた年でもある。
社務所に改めて聞いてみると、岡崎狛犬が寄進されるまでは八幡塚前に居る尾下がり狛犬が居たという。
狛犬は江戸時代に造られたものでは無いかと思い奉納年などを訪ねると「わからない」というので、図書館で六郷神社を調べると
八幡塚前の先代狛犬の台座銘が「奉納 六 船若中」「大正八年七月 修繕(1919年)」と記してあった。
これらの事から話を組み立てると、
岡崎狛犬はそれまで拝殿前に居た尾下がり狛犬に代わって大正8年7月に石組台座と共に奉納
尾下がり狛犬は先代となって八幡塚前に移設された。
昭和12年5月、六郷宮本町会有志によって新たにミカゲ石台座が寄進されて岡崎狛犬は嵩上げされた。
この時大正8年銘の台座が不要となり、つまり台座も先代となって八幡塚前の尾下がり狛犬の嵩上げに使われた。
という事か。
先代狛犬本来の台座は失われて奉納年は不明になってしまったが、先代狛犬が残された事は幸いだ。
(写真・山田敏春、阿由葉 文・山田敏春)
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