上野公園の一番奥に芸大(東京藝術大学)があります。
その正門を入ってすぐ左へ入った所に都内で最古のレンガ建築と言われる赤レンガ1号・2号館があります。
その2号館の入口に狛犬が!
都内のものとしては珍しい、今までほとんど知られていなかった狛犬です。
狛犬は細部にわたって丁寧に作られていて、尾はごちゃっとした感じですが、よく彫りこんでおり、かなり技巧的に凝った作となっています。
足の後ろには美しい飛毛、体には丸紋もあります。
吽にはツノがあり、岩の足座に載っています。
台座は元々あったものなのか、この狛犬の為においたのか…建物と同じ赤レンガ。
石は砂岩質で、特に阿の方は傷みが目立ちますが。
銘も、資料もなく、詳細は全く不明です。
数年前の赤レンガ2号館の写真にはこの狛犬が写っていないものもあり…
「芸大と石工」で思いつくのは…後楽園にある日中友好会館前の狛犬を彫った石工・明石亀太郎は芸大の非常勤講師でしたし、福島の寅吉・和平に影響を受けた梅沢敬明は芸大出身です。
また神田祭りに芸大が狛犬を出しているのも知られています。
獅子山としてあったものが何らかの理由で持ち込まれたものなのか、芸大関係者の作なのか…
いつからここにあるのか…興味深い獅子狛犬の一対です。
(文・阿由葉、山田/写真・阿由葉)
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