これはどうだ!のおすすめ狛犬
No.139〜 2018.1

迫力の狛犬〜終戦直後、謎の奉納理由

                  諏訪神社(埼玉県加須市諏訪1-8-4)


狭山市狛犬探検隊のオフ会「加須市の江戸時代狛犬巡り」に参加して来ました。
その画像データを処理していて、ちょっと気になったものがありました。
諏訪神社(加須市諏訪)鳥居前の狛犬です。


この狛犬、なかなか迫力があります。
関東ではかなり珍しい岩狛(前足を岩に乗せているタイプ)です。
奉納は戦後直後の昭和20年10月


そして、気になったのは奉納理由です。
銘板にこうありました。
  
   
右者本村国民学校
   生徒日本一縄増産
   ニ対シ記念トシテ
   石獅子一對奉納セ
   シニ依り茲に記録
   氏子中


縄の増産が日本一って?!
戦時中のことでしょうが、縄の増産?
日本一って、縄生産量の競争とか、統計データとかあったの?
そして戦後の復興どころかまだ混乱の時期に、その記念に狛犬を奉納する?
なんだか良く分かりません。
まぁ、「」と読んだからなのですが、「」じゃないかなぁ?

ついでに奉納者の小川友三という人物を調べてみると…
これが大変な人で…実業家・政治家ですが、詐欺事件や横領や不正…そして、「参議院の歴史上、現在に至るまで唯一」という議員を除名された人!
とありました。
また、ほど近い千方神社(加須市中央2-5-27の鳥居前の昭和20年4月の狛犬も同じ小川友三の奉納。
終戦直前と直後に狛犬を奉納した人物!


                                    (写真・文;阿由葉郁夫)