名品でありながら金網をかぶされて良く見えない狛犬が居ます。
新宿の花園神社のブロンズ狛犬がその最たるものでしたが平成17年に金網が外されて、直に見る事が出来るようになりました。（No.137 参照）

またキツネにもかなりの数「金網かぶり」があります。
小田原駅近くにある大稲荷神社には荏原神社の日本一美しい狛犬を彫った栗原巳之吉のキツネが居ますが、残念ながら金網でその良さがわかりません。（写真下）

足立区宮本町の千住神社にも金網かぶりキツネがいます。
網越しに見てもかなりの出来と思っていましたが、先日訪れてみると、なんとすっきり金網がなくなっていました。（写真下はかつての様子）

正面の石板に「御大典記念改修　昭和三戊辰年九月吉祥日　壹丁目　高橋平次郎造之」と銘があります。 金網が外れて現れたのは、超名品と言える素晴らしい飛びキツネでした。

	溶岩石を積んだ頂にしなやかに遊ぶ姿は躍動感にあふれ、振った首と共に揺れる耳が素晴らしい！ 右のキツネの腹には乳房が６つありメス。 左は男印があるのでオス。 子キツネはいないが、五穀豊穣の願いと共に子授け・子孫繁栄の願いが込められているのでしょう。 キツネのパターンは通常の台座に蹲踞した型と溶岩石に乗る飛び型、子を足で押さえたり、背に登らせたり、稲穂を担いだものやカギや玉、巻物を持ったり、咥えたものなどがあります。 また太目の尾は豊かに実った稲穂を象徴していると云われています。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（文；山田敏春　写真；山田・阿由葉）