これはどうだ!のおすすめ狛犬
No.26〜 2007.11 |
一の宮貫前神社の狛犬
群馬県富岡市にある旧官営富岡製糸場を見た後、上野一の宮の貫前(ぬきさき)神社へ行きました。
神社の創建は531年と云われていて大変古いものです。 また不思議なことに社殿が石段を下りた所にあるということでも知られた神社で、他に類を見ない形態と云われています。 貫前神社は古くは抜鉾(ぬきさき)大明神といわれていました。 祭神は経津主神(ふつぬしのかみ)と姫大神(ひめおおかみ)の二神ですが、姫大神は養蚕機職の守護神で、製糸の町・富岡とは縁の深い神さまと云えます。 |
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狛犬は石段手前の惣門の前にいます。
風貌は古めかしいのですが、建立年は意外なほど新しく昭和2年7月。 奉納者は富岡町字七日市、東野捨吉とあります。 狛犬の奉納月の7月は七夕(たなばた)ですが棚機(たなばた)とも書き、牽牛と織姫の祭りです。 その祭りに合わせて製糸業に携わる人が狛犬を奉納したと思われます。 石工は竹井孝次郎、地元の石工だろうか? 此の辺りの石は近くの連雀山から出ると云うが、その石を使っているのだろうか? 狛犬はかなり個性的です。 背中についた尾とタテガミの渦毛は小さく、いささか貧弱な感じをうけます。 顔は小さめでアゴヒゲがあり、眉毛が渦毛となっています。 「所変われば品変わる」と言いますが、狛犬も地方色のあるほうが面白いなと感じた狛犬でした。 (写真・文 山田敏春) |