これはどうだ!のおすすめ狛犬
No.33〜 2008.6 |
金刀比羅神社の狛犬
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虎ノ門金刀比羅神社と題した明治後半に撮された写真があります。 文政年間に建てられ安政三年に再建された銅鳥居ごしに神楽殿と拝殿が見え、子犬と大玉を持った狛犬がいます。 台座の下部には「御供方」と刻まれています。 広重の絵や現在の虎ノ門金刀比羅神社と比べても明らかに違う金刀比羅神社です。 増補彩色アルバム 明治の日本<横浜写真>の世界 |
虎ノ門金刀比羅神社とされる写真(上)の神社は虎ノ門ではなく、本郷の讃岐高松藩の屋敷にあった金刀比羅神社で、狛犬も現存しています。 因みに本社の金刀比羅神社は高松藩領内にあります。 狛犬はミカゲ石で大玉と子を持っていて、台座には「奉献 嘉永二年歳次己酉秋八月(1845)」「発願主 綾田彦一郎」そして8名の世話人の名が刻まれ、台座下部には「御供方」とあります。 嘉永二年と云うと藩主は十代目の松平頼胤で正室は徳川家斉の16女の文姫です。 また御供方とは藩主の側にいて身の回りの世話や警固をする人達と思われます。 狛犬はおそらく参勤交代で江戸に来た時に何か思うことがあって奉納したものではないでしょうか。 |
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虎ノ門金刀比羅神社(港区虎ノ門1−2−7)とは讃岐丸亀藩京極家の藩邸にあった屋敷神で、何時の頃からか江戸庶民に開放され大変な賑わいを見せました。 また社頭には見事な玄武・朱雀・白虎・鳳凰の四神を飾り付けた文政四年奉納の銅鳥居があることで知られています。 また銅製と思われる狛犬も居たようです。 (写真・文 山田敏春) |