荏原神社(品川区北品川二丁目)の狛犬は日本一美しいと言われ、その元となったのが品川神社拝殿前の狛犬です。
奉納は明治17年3月(1884)で北濱若者中と金崎彦兵衛の名があります。
石工は南品川の清三郎。
荏原神社の狛犬は明治29年8月(1896)の奉納でやはり北濱若者中と金崎彦兵衛の名があり、石工は栗原巳之吉です。
荏原神社、品川神社はともに申年の奉納ですが、申年は富士山が出現した年といわれ、富士信仰には重要な年周りです。
なお金崎彦兵衛は富士講の品川丸嘉講社の講元であり世話人でした。
ちなみに丸嘉講の嘉は創設者近江屋嘉衛門(寛政六年没)の名に由来します。
明治2年5月29日(1869)、丸嘉講社が馬込村(大田区馬込)から富士浅間社を移して品川の富士塚築造が完成しました。
富士塚の山開き登山 |
登山の様子(2007年〜先頭は先代の先達)
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明治5年(1872)の申年に金崎彦兵衛たちは富士塚に記念碑を奉納。
そして明治17年に品川神社、さらに明治29年には荏原神社に狛犬を奉納しました。
具体的な行事の様子としては、毎年正月20日の初拝みは金崎家で行われ、7月1日の山開きには講員達と富士塚に登頂し、その後、吉日を選んで実際の富士登頂を行います。
そして下山後再び金崎家に帰宅し登山の無事を感謝し会食した後散会し行事が終わります。
左写真;富士塚登山へ向かう様子(2010年)
狛研奉納のくも狛犬が見守っている
(写真・山田敏春、阿由葉 文・山田敏春) |
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