芦之湯の獅子狛犬
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細頭・長頸の阿像の獅子とツノがある吽像の狛犬。
神奈川県箱根町芦之湯の弁天さんと呼ばれるお堂の前に鎮座している。
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胸を張った招魂社系だが、奈良市の手向山八幡宮の国の重要文化財に指定されている木造獅子狛犬の<完全コピー>である。
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手向山八幡宮には同じ形・大きさの木造獅子狛犬が3対ある。
このうち狛犬1躯が平成12年6月27日付けで重文に指定された。
ツノを含む本体像高は93.2センチ、鎌倉時代の慶派仏師の制作と想定されている。
現在は奈良国立博物館に収蔵されている。
重文として附随指定の獅子1躯と、他の2対はそれぞれ江戸時代の制作とみられている。
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写真左が奈良国立博物館に収蔵された重文狛犬
これはそれと対の付随の獅子 |
この2対は重文狛犬を模した江戸期作とみられるもので、本殿及び収蔵庫にある。
画像はいずれも「月刊文化財 平成12年6月号」より
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「頭頂中央に一角、顔をほぼ右真横に向け、瞋目・閉口し、右前肢をわずかに出して蹲踞する。
盛り上がった筋肉や強く踏ん張った四肢は力強く、的確かつ生気ある写実的表現にまとめられている。
細頭・長頸表現はこの時期の狛犬としては異例…」。
これは文化庁の重文指定の記述。
木造を石造に変えれば、この文言は芦之湯の狛犬にぴったりだ。
八幡宮の本殿に現在ある獅子狛犬は江戸時代の一対である。
狛犬に限らず、<完全コピー>は独創性の対極にある。
材料が違えば、職人の技量が一層試される。
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芦之湯の獅子狛犬は、台座などから昭和9年以前の制作という以外は不明だ。
手向山スタイルの数少ない珍しい狛犬が、なぜ選ばれて箱根に建立されたのか。
興味は尽きない。
2014年99号より
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なを、芦之湯と同様に手向山八幡宮の重文狛犬を模した石造狛犬が他にも数対ある。
そのうちの1つが藤沢市の白旗神社にあります。
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