〜ヒツジ 「弘法の教えの羊」「鎮魂の羊」「一代守本尊の羊」など
羊の石像は少ない。
ここに収録された羊像は一対になってはいるが、いずれも本来の、神使とは異なるものといえよう。
「弘法の教えの羊」「鎮魂の羊」「一代守本尊の羊」など
日本では日常の生活の中で、羊とのなじみは薄かった。
そのためか羊の石像は珍しい。
ここに収録できた羊像は、
 
(羊-1)弘法大師の書の中で「教え」の「例え」に引用された羊
 
(羊-2)高句麗の王族の陵墓に「鎮魂獣」として置かれた羊
 
(羊-3)未(ひつじ)年生まれの人の一代守本尊である「大日如来」の前に置かれた羊
 などである。
これらの羊像は一対になってはいるが、いずれも本来の神使とは異なるものといえよう。
  
羊-1 弘法大師の「教えの羊」
玉川大師(玉真密院)
空海(弘法大師)は「十住心論」(真言密教の悟りを最高位のものとして、そこに到るまでの心<精神>のあり方を十段階に分けて示した)の中で、最下位の第一住心(人間以前、即ち倫理道徳以前の状態)を「異生羝羊心」として、「雄羊が、ただひたすら淫欲と草をむさぼり食べることしか念頭にない」のと同じ状態であると、羊を例に引いている
これに因んで、先代の住職が境内に羊像を置いたという。

羊の顔は人面風に造られている。

東京都世田谷区瀬田4-13