〜イノシシ(6) 千手観音(千光寺)の猪
猟師に射られた猪は海を渡って、淡路島の山奥へ逃げ込んだ。
猟師が猪を追うと、胸に矢の刺さった千手観音があった。
先山・千光寺
千光寺は淡路島中央にあり、淡路富士ともよばれる先山(448m)の山頂に建つ。
(先山の山名はイザナミ・イザナギの二神が国生みのときに最初に創った山とされることに由来する)
千手観音を本尊とし、淡路西国八十八ケ所第一番の札所。
千手観音(千光寺の本尊)とイノシシ

「延喜元年(901)播磨の国の猟師忠太(藤原豊広)が播州上野の山中で為篠王(イザサオウ)という大きな猪を射た。
ところが、猪は傷つきながらも海を渡り、淡路島の山奥へ逃げ込んだ。
忠太が跡を追うと、先山の大杉の洞中に、胸に矢の刺さった千手観音像があった。
驚いた忠太は頭を剃り、寂忍(じゃくにん)と名を改めて仏門に入り、ここに観音像を祀る寺を建てた。」 (先山・千光寺略縁起より)
本堂の前の左右に、千手観音(千光寺)のお使いのイノシシ像がある。

奉献 天保2年(1831) 4月

兵庫県洲本市上内膳2132
JR神戸線「舞子駅」またはJR神戸線「三ノ宮駅」から
「洲本バスセンター行」バス「終点」下車、登拝口までタクシー約15分