〜カエル 「神使の蛙像…7社」
以下に紹介する社には、神使として蛙像が置かれている。その由縁は各社で異なる。
  
姥宮(トメミヤ)神社の蟇蛙(ヒキガエル)
姥宮神社の「姥」は「トメ」と読んで、「とめみや神社」という。
「姥」は「ウバ」とも読むので「うばみやさま」ともよばれる。
この神社の祭神は、日本書紀では石凝姥命
(イシコリドメノミコト)と書くので、ここから「姥宮」神社とされた。
石凝姥とは、石の鋳型を使って鏡を鋳造する老女の意だが、天照大神が天の岩屋戸に隠れたとき、外へ迎え出すのに用いた「八咫
(ヤタ)の鏡」(大鏡)を造ったのがこの命である。

左側の蛙の背には三匹の子がえるが載る
さて、久保田さんの「狛犬探訪」によると「この地方では、蛙のでかいのをオオトメヒキという。いわばヒキガエルのことである。トメミヤとトメヒキとの語呂合わせで蛙が奉納された」とある。
すなわち、この神社のヒキ
(ガマ)ガエル=蟇蛙は語呂合わせで、この神社の神使とも呼ばれる身分になったわけである。
蛙像は重量感があり、迫力がある。

伊勢神宮式年遷宮記念
宮司岩松新岳/氏子中
平成5年(1993)夏

埼玉県寄居町風布125
秩父鉄道波久礼駅から徒歩、日本水
(ヤマトミズ)・釜伏峠方面へ40分
風布
(フウブ)の日本(ヤマト)の里入り口
 
各務原市日吉神社の蟇蛙(ヒキガエル)
滋賀県大津市の日吉大社から平安時代に分社されたと伝わる。
昭和47年頃まで
境内にあった瓢箪池に多数の蝦蟇が生息していたので、毎年4月に行われる例大祭は「がえろ祭り」と親しみをこめて呼ばれていた。
このことから社前の参道に蟇蛙の像が神使として奉納された。

昭和14年(1939)

岐阜県各務原市那加
名鉄各務原線新加納駅下車3分