〜カメ(3)  元号を「霊亀」に改元させた「松尾大社の亀」
松尾山の谷から不思議な亀が現れ、天皇は「嘉瑞なり」と
「和銅」から「霊亀」へと元号を改めた。
亀は松尾大社の神使とされている。
元号を「和銅」から「霊亀」に改元させた「松尾大社の亀」

古代より山(松尾山)自体が信仰の対象となっていたが、秦氏が701年にここに松尾大社を建てた。
平安京以前からの古社である。
祭神の大山咋神は、この松尾の山の神であると同時に、比叡山の地主神でもある。
また、祭神の市杵嶋姫は弁財天とも称され、亀が蛇・龍と共に神使とされる。
境内の「亀の井」といわれる湧き水は、それを醸造の際に元水とすると酒が腐らず良い酒ができるという。
元は秦氏が大陸伝来の新技法で良い酒を造ったことによると推察できる。
この水を求めて全国から酒造家が参拝に来る。

松尾山は、いくつかの谷(渓谷)に分かれているが、この谷の一つに大杉谷がある。
古記によれば、元正天皇の714(和銅7)年8月、この谷より
『首に三台(三つの星)を戴き、背に七星を負い。前足に離の卦を顕わし、後足に一支あり、尾に緑毛・金色毛の雑った長さ八寸の亀』が現れた。
これを朝廷に奉納した所、元正天皇は「嘉瑞なり」と、「和銅」から「霊亀」へと元号を改めた(715年)。
亀は再び元の谷に放たれたという。

  
松尾大社

撫で亀… 神使の「亀」と案内板に載る

対になった亀像はない。
しかし、この神社では
いずれの亀も神使とする。


酒の醸造に良いとされる「亀ノ井」の亀

手水場の亀
祭神:大山咋命、市杵嶋姫

京都市右京区嵐山宮前
JR京都駅−京都市バス大覚寺行き〜松尾大社前