狼-(4) 〜オオカミ 大山祇命(オオヤマヅミノミコト)の狼
大山祇命(神)は、日本国の総鎮守であり、「山の神」とも呼ばれ、
その神使は眷属の山犬(ニホンオオカミ)である。
特に、関東地方では広く地主神とされる。
秩父、奥多摩では、大山祇命を祀る社祠に、一風変わったオオカミ像がある。
  
大山祇命と狼
大山祇神は、天照大神(アマテラスオオミカミ)の兄神で、天孫瓊々杵尊(ニニギノミコト)の降臨に際しその妃となった木花開耶姫命(コノハナサクヤヒメ)の父神にあたる。(古事記、日本書紀)
すなわち、大山祇神は、天から天照大神の子孫の神々が降臨する前からこの国土(山河海)を守護していた神である。一般に「山の神」とも呼ばれる。

大山祇神社は、全国一万社を超えるが、この総本社は愛媛県越智郡大三島(オオミシマ)町にある「大山祇神社」で、「日本総鎮守 大山祇神社」の神額がかかる。

大山祇神は「山の神」であると同時に、「伊予国風土記」にまたの名を「和多志(ワタシ)の大神」ともいうとあり「航海・交通の神」でもある。
瀬戸内海、芸予諸島の中央に位置する大三島にあって、大山祇神社の祭神、大山積神は「三島大明神」と呼ばれ、瀬戸内水軍の守護神として信仰され、時の権力者も武具甲冑などを奉納して、海上交通の安全、海賊の平定、戦勝を祈願した。

大山祇命(神社)の神使は、関東地方では「山の神」から「山犬=狼」とされるが、瀬戸内の三島宮では「航海・戦勝の神」から「白鷺」とされる。

大山祇命のオオカミ像

秩父・奥多摩には、大山祇命の神使のオオカミ像もある。
下記の4社祠の4対の像を収録できた。
偶然とも思えるが、いずれも動きのある、ひょうきんともいえる像である。
日本武尊のオオカミ像とはかなり異なったイメージの像である。

秩父市大滝・三峯神社 〜 摂社大山祇神社
三峯神社の境内には沢山の末社摂社があるが、その中でも、この大山祇神社は別格に扱われていて、
他の社祠よりは大きく、独立した参拝口を持つ。
大山祇命は天照大神の兄神で、三峰山を守護する神(地主神)として祀られている。
日本武尊も各地で皇祖とともに、この神を祀っている。

埼玉県秩父市大滝三峰、三峯神社内
秩父鉄道三峰口駅下車〜バス三峯神社