〜リュウ(8)  真名井の龍
彦火明命が丹後の地に降臨され、
真名井原(吉佐宮)に元初の神、豊受大神をお祀りし、
天の真名井の御神水を供えられた。
龍は真名井の眷族とされている。
  
籠(この)神社奥宮・真名井神社

籠神社:真名井原(吉佐宮〜よさのみや)に祀られていた元初の祭神、豊受大神と天照大御神が伊勢神宮に遷されたことから、以後、元伊勢とも呼ばれ、彦火明命が主祭神となり、社名は籠宮(このみや)と改められた。また、真名井原の宮は籠神社奥宮・真名井神社とされている。

御霊水 天の真名井の水

籠神社の絵馬「真名井龍神」

元初の祭神、豊受大神が真名井原
(吉佐宮)に祀られたのは
真名井の水という御神水がこの地に湧き出ていたこと
にも因るとされ、龍は水神として真名井の眷族とされる。


神社の入り口の鳥居の前に、眷属の龍像が置かれている。
この龍は、潮満珠
(しおみつたま)と潮乾珠(しおひるたま)の2珠を持っている。
潮の満ち引きを自由に操れる力を持つ不思議な珠で、記紀の海幸彦、山幸彦の神話の中で、
山彦が海神
(わたつみ神)から龍宮で授かったものとされる。

なお、籠宮の名は、神代に、彦火火出明命が籠船(かごぶね)に乗って
海神
(わたつみ)の宮に行った故事に由来するという。
また、神社の代々世襲の海部宮司家の祖は海人族
(あまぞく)だとされる。

京都府宮津市字難波野
丹後鉄道「天橋立」駅

真名井稲荷神社(本宮・籠神社の摂社)

籠神社の境内にある摂社「真名井稲荷神社」は、
古来より奥宮・真名井(吉佐宮)に祀られていた豊受大神直系の稲荷神社を1991年に再建したもの。
「真名井稲荷神社」の鳥居の前には、奥宮・真名井神社の参道入口にある像(上掲)と
ほぼ同じ龍像が奉納されている。

真名井稲荷神社の龍
平成六年四月 安達建之助



京都府宮津市字大垣430
北丹後鉄道「天橋立」駅