猿〜サル(2) 庚申信仰の猿 … 庚申塔、庚申塚 |
60日に一度の庚申(コウシン・カノエサル)の夜、人々は寝ずに「庚申待ち」を行った。
また、庚申塔や庚申堂(塚)などが建てられた。 庚申の「申(サル)」から、猿が庚申の使いとされた。 |
吹上観音(埼玉県和光市)の庚申塔 |
庚申信仰とは 庚申信仰は中国の道教の伝説に基づくもので、日本には平安時代に入り、室町時代を経て江戸時代に盛んになった民間信仰である。
庚申の「申(サル)」から「猿」が庚申の神使とされた。これには天台宗の修験者などが庚申に関わったことから、比叡山の地主神、山王(日吉大社)の神使「猿」の影響もあってのことと思われる。なお、神道の庚申の主神は、「申(猿)」から猿田彦神とされたともいわれる。 |
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庚申塔前にある神使の猿像は、寝ないで起きていることを示すためか衣服を着てくつろいだ姿をしていて、「庚申待ち」をしている様子にみえる。また、三猿が神使として対の像とされて奉納されたものもある。 なお、庚申塔に刻まれた「見ざる・聞かざる・言わざる」の三猿は、「自分たちの罪状を見聞きしたり、天帝に告げないで欲しい」との願望を表現したもので、神使の猿像とは別のものである。 |