獅子〜シシ (1) 文殊菩薩の獅子
文殊菩薩は、知恵の仏で、獅子に乗った姿で表わされる。
独尊の場合もあるが、「釈迦三尊像」に多く見られる。
文殊菩薩の乗る「獅子」を神使とした。
「象2 普賢菩薩の象」参照
少林寺
獅子に乗る文殊菩薩(文殊菩薩の獅子)


釈迦三尊像:一般に、釈迦如来像を真中に、左右の脇侍に
象に乗る普賢菩薩像(左)と獅子に乗る文殊菩薩像(右)を配置する。

曹洞宗の寺で、少林寺裏山には、天保年間の五百羅漢、千体荒神石碑がある。

山頂に釈迦三尊像と十六羅漢を安置する。
「釈迦三尊」の右の脇侍として文殊は獅子の背に乗る。

埼玉県大里郡寄居町末野2072-1

  
川越大師「喜多院」
境内の五百羅漢場の中央に
ひときわ大きな「釈迦三尊像」がある。

脇侍として、文殊は向かって
左に配されている。
文殊の騎乗する獅子は四脚で立つ。

埼玉県川越市小仙波町1-20-1

大円寺

自社本堂が火元になった「明和9年(1772)大火」の
死者を供養するため、石仏群が納められた。

その中心をなす「釈迦三尊」の脇侍として、
文殊は向かって右に配されている。
文殊は獅子の背に載せた蓮華の上に座す。

東京都目黒区下目黒1-8-5

増上寺 (浄土宗・大本山)
徳川家の菩提寺である。
境内に置かれた正嘉2年(1258)の作と伝えられる「四菩薩像」の中の一体。

文殊は「卯年守本尊」(卯年生まれの人の守護仏)として紹介されている。
文殊は獅子の背に座す。

東京都港区芝公園4-7-35

長泉寺
曹洞宗の寺で羅漢像などもある。
「釈迦三尊」の右の脇時として文殊は獅子の背に座す。
天保11年(1840)

東京都杉並区上高井戸1-18-11

乗蓮寺(東京大仏)
「知恵を授ける文殊菩薩」として紹介され、
独尊の石像として置かれている。
文殊は獅子の背に載せた蓮華の上に座す。
津藩主藤堂家旧蔵の像

東京都練馬区赤塚5-28

文殊寺
天台宗の寺で、大智山覚母院という。
本尊の文殊菩薩は、学問上達の仏さまとして信仰され、
絵馬掛けには合格祈願が沢山寄せられている。

文殊菩薩の石像は独尊として置かれ、獅子に座す。

埼玉県さいたま市緑区三室1956

世田谷山観音寺 (世田谷観音)
昭和26年、事業家だった大田睦賢が私財を投じて建てた比較的新しい寺だが、
国宝や文化財などを多く有している。
境内には中国の1600年代末の鉄製狛犬をはじめ、数々の像や堂などがあって興味深い。

境内に立派な文殊菩薩像がある。
文殊菩薩の足元に控える獅子の図は珍しい。

東京都世田谷区下馬4-9-4