獅子〜シシ (2) ライオン・獅子 <参 考>
ライオン(獅子)は古代から洋の東西を問わず権力や王の象徴とみなされた。
仏教でも仏陀や弥勒菩薩の台座に獅子が彫られて
獅子座と呼ばれた。
また、ライオン(獅子)が神(宮)殿、寺院、墓などの
守護を担う霊獣とされて、
建物の入口や参道に置かれた歴史は古代オリエントに遡る。

古代オリエントのライオンは中国に入って(唐)獅子と呼ばれ、
日本に入って
狛犬の起源とされた。
この項では、「
形状がライオン(獅子)風の像」を収録した。
これらは、神社や寺社の狛犬と同じで、
神使ではない

この項は神使ではありませんので、あくまで参考です。
  1) オリエント風 有翼の獅子
  2) 神社の獅子(リアルライオン)
  3) 寺の獅子(ライオン) 
  4) ライオン風 中国獅子
  5) 2対になった4頭の兄弟獅子(ライオン)
  6) らいおんシシこまいぬ  
  
1) オリエント風 有翼の獅子

築地本願寺

正式には「浄土真宗本願寺派本願寺築地別院」といい、
元和3年(1617)西本願寺の別院として建立された。
関東大震災で崩壊した本堂は、昭和9年(1934)に
伊東忠太設計の古代インド様式で、再建され現在に至る。

階段の両脇の先端に、平行に正面を向いて配された「有翼の獅子」像は
古代オリエントに見られる像そのものに見受けられる。
しかし、狛犬と同様に「阿吽の像」として造られ、日本独自の様式も取り入れられている。

東京都中央区築地3-15-1
東京メトロ日比谷線築地駅

2) 神社の獅子(リアルライオン)

五軒家町 神明社

神明社は、伊勢の神宮(内宮)の祭神、天照大皇神(天照大神)を祀る神社である。

ライオン(獅子)そのものの像が一対置かれている。神使ではなく、守護像である。
左右とも阿像で同形に見えたが、左は上あご、右は下あごに牙がある。
 柵柱の年代から昭和14年(1939)の獅子像と推定する

愛知県名古屋市昭和区五軒家町19-14
地下鉄鶴舞線川名駅下車

中津瀬神社 〜 橋の彫像だったライオン
この神社は通称「水神さま」とも呼ばれ、真締川の氾濫による水害被災を避ける守り神として
享和元年(1801)に真締川左岸(宇部村)に建てられた。
その後、神社は移転移築され、真締川にほど近い現在地に昭和24年に納まった。

拝殿の前に、ライオンそのものの像が、対で置かれている。
このライオン像は真締川に架けられた
大橋の欄干先端の彫像だったが、
橋の撤去に際して神社に奉納されたという。真締川と神社の縁が像をとりもった。

阿吽の像で、特に右像は口に玉を咥えている。
いわば、
狛犬仕様に造られており、納まる所に納まったともいえる。
奉納年、奉納者名はない。

山口県宇部市新天地2-2-19
JR宇部線琴芝駅下車徒歩南へ5分

追 補
ライオンは寝そべった三越デパートスタイルが多いようだが
立ち姿と蹲踞型のものもある
(この項のみ阿由葉)

白山神社

石段上に左右同形の1対がいる。
銘はないが、白ミカゲで比較的新しいものと思われる。

神奈川県津久井郡津久井町長竹

浅間神社
拝殿前のこの1対は、どう見ても狛犬ではなくライオンだ。
左右逆だが、阿吽になっている。
平成10年6月吉日建之  施工 池森章次

栃木県鹿沼市花岡町102