〜シャチホコ(1) 地上に降りたシャチホコ(鯱)
(しゃちほこ)は魚へんに虎と書くが、「字」の通り「体は魚の形で頭はトラ」という想像上の動物である。
鯱は、本来、名古屋城の金鯱などに見られるように、大棟の両端に取り付けられて、棟飾りや鬼瓦と同様に
建物の守り神とされる。
特に
水を噴出して火災から建物を守るという。
この鯱が、場違いの地上の社祠、碑、建物の前などに対で置かれている。
守護を期待してのことと思われる。
地上に降りても、対でシャチホコばっているが
神使ではない
笠上神社
「圀彦霊神碑」の前に阿吽の鯱一対が置かれている。

置かれた主旨は不明。

鬼瓦同様の造りで眼にはガラス玉が入られている。

(尻尾は破損)

千葉県銚子市笠上町
銚子電鉄「笠上黒生(カサガミクロハエ)駅」下車、歩東へ5分

  
聖徳神社
聖徳太子を祀る社だが、太子と社前のシャチホコとは無縁である。
明治の頃、高島城(諏訪の浮城)再建を計画してシャチホコも造られたが、
計画が立ち消えになったため、大工仲間の太子講がここに置いたという。
瓦製。
円丈師匠の「ザ・狛犬コレクション」には
「唐突に発作的に置かれたものだろう」とある。全くそのとおり。

長野県諏訪市茶臼山9556手長神社の管轄
JR中央本線「上諏訪駅」歩15分

靖国神社 遊就館

遊就館(展示室)正面玄関前 青銅製 阿吽の一対
奉納 前橋陸軍予備士官学校「相馬原会」
なお、隣の靖国会館の入り口にも一対ある。

東京都千代田区九段北3-1-1

上戸・日枝神社

シャチホコと猿像

本殿の階段下の左右両脇に置かれたシャチホコ

末社の愛宕社前ならマッチするのだが…

拝殿の背後に接続する本殿(奥宮)は、覆屋(おおいや)で囲われていて、覆屋の板柵の隙間からようやく中をのぞける。
本殿の回廊には、祭神大山咋神(山王)の神使の猿像が置かれているが、階段下の左右の両脇にはなぜかシャチホコが置かれている。
胸鰭・腹尻鰭は取れてしまってその箇所に穴が残る。
建物の取り壊しに際して、棟上にあったシャチホコが、持ち込まれてここに置かれることになったのかもしれない。
末社の愛宕社の前に置かれていれば、シャチホコの火防の役どころとマッチするのだが。

川越市大字上戸字山王315
東武東上線霞ケ関駅下車歩北へ5〜6分