〜シャチホコ(2) 湯島聖堂のシャチホコ <湯島聖堂の屋根上の聖・霊獣>…(参考)
東京・文京区の湯島聖堂の屋根上には、他の聖・霊獣とともに
鬼□頭(きぎんとう/□は獣偏に犬と書く)と呼ばれる、シャチホコの一種がある。
通常のシャチホコは虎頭魚尾だが、ここのは、龍頭魚尾で頭から水を噴き上げている。

参照資料:斯文会発行「史跡 湯島聖堂」

※ 鬼□頭の□が表示できません。以下□で表示します。

湯島聖堂〜屋根上の聖・霊獣
湯島聖堂
徳川五代将軍綱吉が儒学振興のため、上野忍ケ岡の林羅山の孔子廟と家塾を、元禄3年(1690)湯島に聖堂を造り移転した。
その後、幕府直轄学校として「昌平坂学問所」がここに開設された。
現在の大成殿は、関東大震災で焼失後、昭和10年に伊東忠太博士の設計で再築されたものである。

湯島聖堂・大成殿
屋上には鬼□頭
(きぎんとう)・鬼龍子(きりゅうし)と呼ばれる守護獣が置かれているが、これらは鋳銅製で、寛政11年(1799)当時のものである。

  
湯島聖堂のシャチホコ…鬼□頭(きぎんとう)
聖堂の大成殿屋根、棟の両端に鎮座。
鬼□頭は一種の鯱(しゃちほこ)で、竜頭から鯨のように水を噴き上げている。
鯱が水を噴出して火災から建物を守る目的で置かれたことがよくわかる。

形態は、一種の鯱(しゃち)型で、龍頭魚尾、二脚双角
頭より潮を吹き上げ、頭を外側に向けて取り付けられている。

屋上の聖獣・鬼龍子(きりゅうし)

聖堂の大成殿屋根、流れ棟の四隅角に鎮座。

形態は、狛犬に似た姿で、顔は猫科の動物に似ており、
牙を剥き、腹には鱗があり蛇腹・龍腹となっている。
想像上の霊獣で、孔子のような聖人の徳に感じて現れるという。

斯文会館の屋根上の守護獣
昭和10年(1935)の復興聖堂の設計を担当した伊東忠太博士の考案した棟飾り。
名前もなくその意味も今は明らかではない。