「縁切りさん」と「縁結びさん」
本堂の左手に「縁切りさん」(法竜大善神)と「縁結びさん」(黒竜大神と市岐姫神)を祀る社祠が隣り合って並ぶ。
その前の鳥居の足元に、阿吽の石狸の一対が置かれている。
このような阿吽の狸像に今まで出会ったことがなかった。
祭神と狸の間に由縁はない。
「えんきりさん」「えんむすびさん」の語句に、やんわりと因んで、狸は人を化かすとされるので「騙(だま)さず」「騙されず」の意で置かれたものともとれる。
好感がもてるお人好しの狸像で、頼めば腹鼓も打ってくれそうである。
でも、見方によっては、縁結びさんのほう(左)の狸は喜び、縁切さんのほう(右)は神妙で不安気な顔をしているようにも見える。