〜オシドリ 正覚院の鴛(オシドリ)
この寺は「鴨鴛寺」といい、「おしどり寺」とも呼ばれている。
ここの「オシドリ」は、寺の創立・寺名(号)の縁起に関わる「神使」である。
正覚院と鴛鴦(オドリ)
正覚院のフルネームは、真言宗池證山鴨鴛寺「正覚院」といい、「おしどり寺」とも呼ばれる。
「鴨鴛(オシドリ)塚」は、この「鴨鴛寺」正覚院の創立・縁起の塚なので、寺が建てたものと思われる。
建立年月はないが古いものではない。
鴨鴛寺は「オウエンジ」と読む。
オシドリは、鴨類であるが、一字で「鴛」、二字で雄雌のつがいの意で「鴛鴦」と書く。
「鴨鴛」と書くのは特殊といえよう。
ここの「オシドリ」は、寺の創立・寺名(号)の縁起に関わる「神使」である。

  
鴨鴛寺「正覚院」
建立年など刻まれていない

千葉県八千代市村上1530-1
西船橋駅乗り換え、千葉高速鉄道村上駅下車歩7分
 
塚碑の裏に書かれている「おしどり伝説」の詩歌
「日くるれば誘ひしものを 阿蘇沼の
       まこもかくれの一人寝ぞうき」

「おしどり伝説」(鴨鴛寺正覚院の縁起)
1156年(平安時代中期)、この地帯は「阿蘇沼」と呼ばれていたが、平入道真円という殺生を好む男が沼で一羽のおしどりを射て持ち帰った。その夜、美しい女が訪れ真円に「あなたは私の夫を殺した」といって、「日くるれば さそいしものを 阿蘇沼の まこもがくれの 一人寝ぞうき」と一人残った寂しさを訴えて去った。翌朝、.雌のおしどり(鴦)が、昨日射止めた雄のおしどり(鴛)とくちばしを合わせて死んでいた。昨夜の女は雌のおしどりだったのだ。真円は、鴛鴦(オシドリ)の深い愛情に打たれて、それまでの殺生を悔いて、出家し、沼のほとりに鴨鴛寺と号する寺を建て菩提を弔った。

*参道入り口に、阿蘇沼の名残を留める池があり、おしどりの片羽を祀ったので片葉の葦が茂るという伝説のある「片葉の弁財天」が在るが、今ではすっかり荒れている。