〜ワシ(2) 天穂日命(アメノホヒノミコト)の鷲(オオトリ)
日本の稲作は「大鳥が稲穂をくわえて飛んできた」とする、「大鳥による稲穂飛来伝説」がある。
稲穂を運んできた大鳥(鷲)が神使とされた。
天穂日命(アメノホヒノミコト)と「大鳥による稲穂飛来伝説」
日本の稲作は「
大鳥が稲穂をくわえて飛んできた(天から稲穂を授かった)」ことから始まったとする、「大鳥による稲穂飛来伝説」がある。
この伝説は出雲系の天穂日命
(アメノホヒノミコト)とその子、天夷鳥命(アメノヒナトリ、別名・天鳥舟命など)に拘わるものともされる。
 

浅草鷲神社(おとりさま)
「かっこめ」熊手守り
現在は浅草の酉の市が有名だが、酉の市の発祥は、室町時代の応永年間(1394〜1428年)に花又村(現在の足立区花畑)の大鷲神社で、11月の酉の日に行われていた収穫祭だとされる。
この酉の市の元祖、大鷲神社の祭神は、鷲大明神であり、「天穂日命」の御子の「天鳥舟命」を祀ったものであった。(現在は日本武尊を祀る) 収穫祭の市(酉の市)で売られていた農具の熊手が縁起物とされたが、そこにつけられている稲穂は「大鳥による稲穂飛来伝説」に因んだものともされる。

天穂日命は素戔嗚尊と天照大神の誓約(うけい)の際に生れた子で、大国主命祭祀(出雲大社)の祭主であり、農業・埴輪の神とされる。
特に埴輪を造る技術集団土師氏の祖神とされる。

  
上和田 鷲(ワシ)神社(祭神:天穂日命)
利根川流域(埼玉県近隣)には出雲系の土師連(ハジノムラジ)が埴輪造りの技術集団として古くから住んでいて、その祖神である天穂日命を鷲神社、大鳥神社に祀った。
周囲を田んぼで囲まれた、この上和田・鷲神社は、農業の神として天穂日命を祀る。
神社の入り口に、「神社名」に因んだものとも、「大鳥による稲穂飛来伝説」に因んだとも思われる一対の鷲像がある。

茨城県猿島郡三和町上和田804
JR宇都宮線古河駅東口、バス諸川方面、職業訓練校下車歩40分
 

参道入り口
建立;平成10年(1998)