馬2-2 馬頭観音菩薩の馬
馬頭観音菩薩は、一般に、三面六臂で、頭上に馬頭をいただき、憤怒の形相をして、胸の前で馬頭印を結び、座っている像容で表されるが、馬に乗っている像など多様な例外もある。
六道の一つ畜生界を済度するとされ、特に馬の守護神とされている。
交通・運送の安全祈願や馬供養のために建てられ、路傍に置かれる石仏も多い。
馬頭観音と馬に特別な由縁があることから、馬頭観音に奉納されたり、馬頭観音が乗る馬を神使とした。

松洞山 龍泉寺

由緒書によると、龍泉寺は最澄(伝教大師)が竜神のお告げで当地の多田羅池より出現した馬頭観音を祀ったのが始めとされる。

山門前に馬像の一対が奉納されている。
昭和55年(1980)

境内には、路傍にあった馬頭観音(石仏)が十数体納められている。

名古屋市守山区大字吉根字松洞
名鉄、HR大曽根駅、バス小幡緑地方面「龍泉寺前」下車

上岡馬頭観世音(妙安寺)

鎌倉時代建立の古刹で、馬頭観音の霊場としては関東地方随一の霊場とされる。
毎年2月19日の縁日には馬の絵馬市も行われ露店も出て、馬関係者や交通安全を願う人などで賑わう。

境内に神使の馬像が奉納されている。
(昭和24年9月再建)

本堂の軒丸瓦には「馬」の字が入れられており、鬼瓦や留蓋、正面の欄間などにも馬の像や彫刻が見られる。

特に屋根上の飾り瓦の馬は素晴らしい。

鬼瓦の馬
屋根上左右、留蓋(飾り瓦)の阿吽の馬
埼玉県東松山市上岡1,729
東武東上線「東松山駅」より、JR熊谷駅行バス20分、上岡下車すぐ